幼少の頃だと親や教師などの大人たちから言われて、もしかしたら今も上司や友人から言われているかもしれません。誰でも一度は言われたことがある「他人に迷惑をかけるな!」「迷惑をかけないで生きていきなさい。」「迷惑をかけちゃダメ。」という魔法の様な言葉。
いや分かるよ。言いたいことは。迷惑をかけてほしくないし、かけたくないし・・・。
けどさ~、これって本当に正しいのかな?
今回は、この『迷惑』について掘り下げていこうと思います。
『他人に迷惑をかけない』は正しいのか?
最近つくづく考えさせられるんですよ。『他人に迷惑をかけない』ことが本当に正しいのかということを。
日本人だったらほぼ100%の人が言われているだろうし、海外の人だってかなりの人数が似たような経験があったり、教育をされているでしょう。世界中の人が、この魔法にかかっているんじゃないかとすら思えてきちゃいます。
しかし「迷惑をかけるな」という大人たちは、違法建築をして浮いた建築資材のお金をぽっぽしたり、食品偽装をして利益をあげようとしています。自分に都合の悪いことは、ひた隠しにしますし、明らかにおかしいのに平気で嘘をつきます。挙げたらきりがありません。
さらにコロナ渦の緊急事態宣言中である現時点(令和3年5月21日)で、多くの人が街に溢れています。
感染拡大防止が最大のポイントなのにです。
本人たちは悪気もなく、「友達に会いに来た」「洋服を買いに」「カフェ巡り」などとインタビューに答えていて、「誰にも迷惑をかけてないでしょう」と言うかもしれません。しかし人流を抑えないと感染を防げないというのに、不要に外出をしているんです。
そのせいで百貨店や商業施設は休業をさせられます。飲食店などは、休業または時短営業、酒類の販売禁止になっています。これは迷惑をかけていないのでしょうか。
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自分勝手な人が増えた世の中での対処法と付き合い方
自分たちの地域では、お店がやっていないから県境を超えて移動をする。県外の人が増えて密になる。またはそこで新たな感染者が発生する。これは迷惑ではないんでしょうか。
非常に理解に苦しむんですよ。
「迷惑をかけるな」という教えが浸透していないのか、迷惑をかけているという考えが及ばないのか、そもそも迷惑をかけても良いと思っているんですかね。
何かがおかしいんですよ。自分たちは言うだけで守らない。平然と迷惑をかける。で、子供達や後輩には「迷惑をかけるな」と言う。
一体全体どうなっているんでしょうか?
迷惑をかけて生きている
何度でも書きますけど、嫌ですよ。迷惑をかけられたくないですし、わし自身も迷惑をかけたくないですよ。
でもね生きるってことは、多かれ少なかれ迷惑をかけているんです。100%迷惑をかけない生き方なんて存在しないんですよ。
だって我々は、食事をしないと生きていけません。その肉や魚は、紛れもなく生きていた命なわけです。その生命を頂いて、生きていくことが出来るんです。
野菜や果物でも同じです。米や小麦でも一緒です。大地に根を張り、太陽を浴びて、水や養分を吸い上げて一所懸命に生きていた命です。別に人間に食べられるために生きているわけではないのです。
これは迷惑をかけているとは言えないんですかね。
また赤ん坊の時には、迷惑のかけっぱなしだったじゃありませんか。自分一人では、とてもじゃないですけど、数週間ともたないでしょう。
また働くことも出来ないので、収入もありません。自給自足も無理でしょう。ある程度の年齢になるまでは、親や養育者に迷惑をかけないと生きていけないんです。
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生きづらい世の中になったものだと馬鹿は馬鹿なりに思うのであった
成人になってからでもそうです。大好きなアーティストのライブチケットを、やっとの思いで入手できたとしたら、ライブに行けない人が一人出来上がります。新幹線や飛行機のチケットも同様です。在来線の座席もそうです。誰かが座れば、誰かが座れないのです。当たり前ですよね。
この様に生きている限り、わし達は何かしらの迷惑をかけているんです。迷惑をかけない生き方なんて、絶対に無理なんですよ。
だからって迷惑をかけて良いって話しじゃないですから、誤解しないようにしてくださいね。
迷惑は被害者の都合!?
最近では、様々な『ハラスメント』が溢れており、名前と内容を覚えるのも一苦労です。今後も新たなハラスメントが増えるんだろうな~。面倒くさい・・・正直。
でもダメだよ絶対に。ハラスメントはしちゃダメだからね。最初に言っておかないと、勘違いされても困りますので。
で、ハラスメントって要は、『嫌がること』でしょ。そりゃ相手の嫌がることは、しちゃダメだよ。けどさ、わしはこれも迷惑に繋がっているように思えちゃうんですよ。
私は嫌がっているんです。迷惑なんです。やめてください。
って言っているってことでしょ。嫌だと思うことと、迷惑だと感じるのは、非常に近いところにあるんじゃないかな。被害を受けた方は、『ハラスメント』『迷惑』だと感じて、加害者側は意識が薄い。
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日本人のマナーは低下したのか?守らない人や悪い人が増えたのか?
また本人が加害者に当てはまらないケースもあります。例えば慎重に運転しているドライバーさん。この人は運転に自信がなく、法定速度をきちんと守って、注意深く運転しています。
しかし後ろの車では
なにをトロトロ走ってんだよ。邪魔だな。迷惑かけんなよ。
と、迷惑をかけられたと勝手に自分の都合で解釈して、あおり運転を犯す場合もあります。
前を走っているドライバーさんは、迷惑をかけようなんて1mmも考えていないでしょう。ましてや迷惑をかけないように、必死に安全運転を心がけていることでしょう。
この様に迷惑をかけるつもりなんか全くない人でも、相手には迷惑だと捉えられる可能性があるのです。故意に迷惑をかけるのは良くないですが、被害者の都合で迷惑行為だと認識されるケースもあるということです。
迷惑をかけない魔法から覚める
この『迷惑をかけない』という魔法にかかっていて、生きづらい思いをしている人も多いでしょう。
親に迷惑をかけちゃうから良い学校に入らなきゃいけない。
同僚に迷惑がかかるから辞められない。
友人に迷惑がかかるから断れない。
などなど、この魔法によって自分を抑え込んで生きていて、最終的には自らの命を断ったり、犯罪に手を染める人も少なくありません。もうこうなっては、本末転倒もいいところです。
要は『迷惑をかけない』ことが核心ではないということです。
根幹は『相手を想う』ことです。そこから枝葉が分かれて
・相手を傷つけない
・不快にさせない
・相手の立場になって考える
・迷惑をかけない
・自分都合でとらえない
・大切に思う
と、なっています。常套句の様に『迷惑をかけないようにしろ』っていうのは、物事の核心のほんの一部分なんです。大義名分の様に使われていることが、そもそもおかしいんですよ。
根幹を知らないから間違ったり、囚われたり、衝突したり、話が噛み合わなかったりするんです。そりゃあ、そうですよ。物事の本質を知っている人と、知らない人とでは大きな差がありますからね。
大切なのは、相手を想う心だということです。そうすれば必然的に、迷惑をかけない生き方が出来るはずなんです。それを忘れないでください。
まとめ
誰しもが迷惑をかけたくないですし、かけられたくないでしょう。当然のことだと思います。
しかし『迷惑をかけない』に囚われてしまうのは、良くありません。ましてや自分や相手を傷つけてしまうなど、もってのほかです。そうならないためには、根幹である『相手を想う』を忘れないことです。何故なら人は誰でも大なり小なり迷惑をかけて生きているのですから。
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自分の事ばっかりで人の話を遮る人の心理と対処法とは?
だからといって迷惑をかけて良いというわけではありません。
『ハラスメント』も『迷惑』も、相手の都合だという可能性もあります。相手が嫌がることをしてはいけませんが、勝手に被害者意識を持っていることもあるということです。
そんな時は、きちんと話し合って解決するべきでしょう。感情のままに語気を強めたり、暴力を振るうのはNGですよ。必ず話し合うべきです。
相手を想って、お互いに心地よい日常を送りたいものです。
あなたが笑顔あふれる一日を送れますように。
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