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日常生活

日本人のマナーは低下したのか?守らない人や悪い人が増えたのか?

 

 最近になって「日本人のマナーが悪くなった。」「若者はマナーを守らない人が多い。」「マナーや礼儀を知らない人が増えた。」というのをよく目や耳にします。

 本当にそうでしょうか。

 一つずつ紐解いていきましょう。

 

マナーの低下要因

 

ドミノ倒し

 

 実際にマナーの悪い人などのデータを収集していないので、正確には分かりません。だって例えば50年前から統計を取っていたと仮定します。

 

 人口の分母に対して『道端にゴミを捨てた人』『老人や妊婦さんに席を譲らない人』『謝らない人』が、何人だったと計測するのは難しいでしょう。

 また、その個人は50年後の今では、改善されているのか?余計にひどくなっているのか?を見分ける必要もあります。こんな事は不可能に近いですし、まず無理だからです。

 

 

 特定の2000人を対象に50年間、調査をしていたとしても、正確な数字ではないので意味がありません。だから増えたのか・低下したのか・悪くなったのかは、分からないというのが実情でしょう。

 

 では何故そういう事が近年取り上げられているのでしょうか。その要因は大きく分けて二つあるのではないかと思います。まず一つが・・・

 

世代が変わった

 

手から手へ地球を渡す

 

 『世代が変わった』という事です。どういう事かというと、人は30代・40代になると、もう若くないと自覚します。・・・抗っている人もいますが、それはちょっと置いておいて。

 

 自分たちは、おっさん・おばさんになったので、「最近の若い子は」「若い子のマナーが」と口をついて出てきやすい。

 これは当時の若者と比較しているのではなく、あくまでも目についただけで、主観的に言っているに過ぎないのです。

 

 だって思い出してみてくださいよ。昭和の時代の方が、立ちションしてるおっさんが大勢いませんでしたか?

 吸い殻を道に捨てているおっさんの何と多かった事か。横入りしてくるおばさんも本当に多かった。

 

 平成に入ってからも同様ですよ。いい大人がマナーもルールもモラルも守らない事が非常に多かったでしょ。壮年・中年・熟年の人達の方が酷かった気がしてなりません。もしかしたら今もそうなのかも・・・。

 

 では何故『若者のマナー』というが取り沙汰されるのか?

 

 自分がその世代じゃなくなったからでしょう。

 10代・20代の人達が「最近の若者は~」って言わないでしょ。そこまで古い時代も、実体験として知らないでしょうし、同世代が悪くなったかどうか相対的に比べる事もありません。

 

 

 自分が若くなくなったから言っているだけなんです。まるで自分たちの世代は、マナーを守ってきたと言わんばかりに。

 でもそれは、その人と周囲の数十人規模の話しであって、日本人全体の統計を取ったわけではないのです。

 

 あくまでも主観です。そして自分自身が世代じゃなくなったから、言っているに過ぎません。つまり何の根拠もないという事です。

 

 わしはれっきとしたおっさんですが、最近の若い子は優秀だと思っています。むしろ年配者の方がモラルやマナーを守っていない気がしますけどね。

 

優位に立ちたい

 

100%という物体に人が座っているイラスト

 

 次の要因として『優位に立ちたい』というのが挙げられます。

 

 どれだけ口酸っぱく「他者と比べても意味がない」と言った所で、人は優位に立ちたいと思ってしまうものです。心情は解ります。けど無意味どころか、時に悪影響を与えかねないのです。

 

 他人との比較・優位に立ちたいというのは、非常に危険だということです。

 

 SNSやネットを中心に、誹謗中傷をしたりするのも『優位に立ちたい』気持ちが根幹にあるのでしょう。相手を叩いたところで、本人が優位になったわけではないのに、なった気になるのです。本当にやめてもらいたいもんです。

 

 そんな事をしても被害者を出すだけで、誰も得しないのに・・・。

 

 話しを戻します。若者のマナーやモラルを指摘すると、あたかも自分が守っているという錯覚に陥るからです。『自分は守っている』『自分は正しい』と優位になった気がするのです。

 

 

 だから標的を作って攻撃しているだけなんです。それがたまたま若者だったというだけです。

 

 中には羽目を外している若者もいますが、大多数の若者はきちんとしていますよ。わしは親切な青年や、道端のゴミを拾ってゴミ箱に捨てている女子高生などを見かけますよ。

 

 むしろ中年以上の人達の方が守っていない傾向じゃないでしょうか。本来は、いないはずの『敵』を作って、優位に立ちたいだけなんですから。

 

日本のマナーは低下したのか

 

稲妻の中で傘を差す男性のシルエット

 

 これについては不明ですが、低下した気もするし、横ばいの様な気もします。まあ向上はしていないでしょうね。

 

 友達同士の花火やバーベキューで、ゴミを散らかしたまま帰る人達もいます。海水浴や花火大会で、飲み食いしたものを近所のごみ集積所に放置する人達もいます。

 

 妊婦さんやお子さん連れ、ご老人に席を譲らない人、優先席に堂々と座る人、混んでいるのに足を組む人、かばんを背中に背負ったままの人、イヤフォンやヘッドホンからシャカシャカ音が漏れている人、歩きながらスマホを見ている人、ぶつかっても謝らない人、などなど数え上げたらきりがありません。

 

歩きスマホは迷惑で事故を起こす危険性!対策を考える!!

 

 しかも前述した様に、若者だけとは限りません。多くの人が『自分・自分・自分』になっているのです。なんとも情けない。あまりにもみっともない。

 

 海外の方が日本を気に入ってくれて、日本に遊びに来て、がっかりして帰国するのって、悲しくないですか?そういう時は一括に「だから日本人は」って言われてしまいますよ。恥ずかしくないですか?

 

 他所の国と比べるのもどうかと思いますが、わしが体験をした話しを書きますね。

 

 数年前に台湾の台北市に行った時の事です。仕事で行ったのですが、2日ほど休みがあったので、休日を満喫しようと外へ出掛けました。有名な夜市に行きました。ものすごい屋台の多さと人の多さに圧倒されながら、台湾の人と食べ歩きをしたんです。

 

 

 日本の主要駅ほどの混雑ぶりで、時には満員電車の様な多さだったのですが、誰一人としてぶつかった人はいませんでした。

 荷物があたるとかも全く無かったのです。途中までは何も気にせずに歩いていたのですが、「あれっ、誰にもあたってない」と気づいて、同行していた台湾の人に告げると「え?普通ですよ。」という回答で二度びっくりしました。

 

 夜も遅くなり、その方と別れて電車でホテルへ帰ろうとした時、駅でも電車内でも歩道でも誰一人として、酔って大声で騒いだり、争っている人もいません。ベロンベロンで歩行が困難な人などもいませんでした。

 

 日中には道の至る所に灰皿があって、喫煙者は立ち止まってタバコを吸っているのですが、そのせいか歩きタバコをしている人は皆無でした。歩きスマホをしている人も当然いませんし、街にゴミが落ちている事もありません。凄く親切で道を訪ねてもちゃんと教えてくれました。

 

何が正しいのか?人としての大切なこと・生き方を学ぶ

 

 私は台湾の人達のマナーやモラルの高さに驚愕したのを、今でもはっきりと覚えています。

 明らかに現状の日本よりも優れています。低下したかどうかは不明ですが、日本人のマナー・モラルが低いことは明白なんです。

 

余裕が無い人の悪循環

 

ペットボトルを持っている男性

 

 前述した通り昔よりも悪化したのか、低下したのかは分かりません。世代が変わったから若者のせいにしたり、優位に立ちたいから敵を作り出しているのかもしれません。

 

 マナーやモラルどころか犯罪になりますが、「俺はコロナだ!」と言ってお店の営業妨害をしたり、
あおり運転をしたり、恫喝したりしているのは、もっぱら年配者です。

 これらはれっきとした犯罪なのですが、マナーやモラルの延長線上にあるのではないでしょうか。

 

 『自分さえ良ければ良い』という考え方から、マナーやモラルを蔑ろ(ないがしろ)にしてしまうのでしょう。

 パスタやスープを食べる時に音を立てるのはマナー違反ですが、わしは別にどうでも良いと思っています。確かに周囲の人は不快に感じるでしょうが、二度とそのお店に行かなければ良いし、二度とその人と食事をしなければ良いだけです。

 

自分がおかしいと感じていない人のなんと多いことか

 

 問題なのは『自分さえ良ければ良い』という心と考え方です。

 世界の進み方はどんどん速くなっていますし、社会は益々ギスギスしています。お金を儲ける事が一番だと思っている人も多く、こういった考え方に陥る人が本当に増えたな~と感じます。

 

 将来の自分に希望を持てず、心に余裕がないので、つい他者と比べてしまう。そして「自分の方がマシだ」と慰める。給料は上がらない。好きな仕事に就けない。家と仕事の往復。時間がない。お金もない。と自分の事で精一杯なんでしょう。他人に対しての配慮なんてする余裕も無いのでしょう。

 

 全て逆なのに。

 

 

 あなたが手に入れる健康やお金、仕事や時間といった満足感や幸福感を水だと考えてください。そしてそれらを手に入れる容器がペットボトルです。(別に何でも良いのですが・・・)

 

 当然のことながら、500mlのペットボトルには500mlの水が入ります。日々の生活で余裕が無くなると、このペットボトルは350ml、200mlと小さくなるのです。もちろん入る水は少なくなります。

 

 反対に1Lとか2Lのペットボトルという余裕が出来れば、いま入っている水は500mlでも今後2倍、3倍と入るんです。余裕が無い人は、この事にも気づきません。可能性をみすみす捨てているんです。

 

まとめ

 

男女が手を握り合っている

 

・日本人のマナーは低下したのか?
・マナーを守らない人が増えたのか?
・マナーが悪い人が増えたのか?
・若者のマナーが問題なのか?

 

 現段階での答えは『分からない』です。

 

 

 今後改善されるかもしれませんし、悪化するかもしれません。キーになるのは、一人一人の考え方や行動だという事です。

 

 自分の事ばかり考えるのではなく、余裕を持って他人に配慮できる人が増えれば、世の中はきっと良くなります。それはつまり自分に対しても良い結果になるのです。

 

本当に優しい・強い心を持った人になるためには

 

 

 

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 幸せになるのも、不幸せになるのも、あなた次第ということです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

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